【そもそもどこまでが23区なのか】vanityroseさんの「ここまで東京」

以前道路と駅の対応問題がありましたが、ここにもまた似たような問題が。

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「シビア度:中」ぐらいの「ここ東」ですね。見たことのある形です。これはつまり「東京は23区内まで」です。ちなみに「シビア度:高」は「東京は山手線内まで」。

ご本人も

23区にしか「東京」という印象がありません。

とおっしゃっていて、ある意味明確なここ東ポリシーです。

ところが、ところがですよ。そううまくはいかないんです。いや、「うまく」の意味がよく分からないけど。

この「どこ東?」プロジェクトは、個々の街のイメージが東京の境界を作っているはず、という仮説から始まっているのですが、それはつまり「23区内まで」というあらかじめの境界とは異なるはずなんです。

何が言いたいかというと「23区」というもの自体が行政界であって、確かに東京としては範囲が狭くなっていてそこにその人ならではの境界がありそうだけど、実はそれはやっぱり行政界を別の行政界で置き換えただけで、リアルじゃないんですね。実際の体験を元にした人間の認識はそういう抽象的なものとは別次元にあるはず。だから、駅名で選んでいただいているわけです。ほんとは首都圏全ての主要な地名を全部挙げたいんだけどそうはいかないので。

それはこのvanityroseさんでもやっぱりそうなんです。まあ、中央線が三鷹まではいってるじゃん、というのは責めません。いや、そもそも責めてないですが。三鷹駅自体が三鷹市と杉並区が微妙な関係にあるところなので。

問題は京浜東北線池袋線東上線ですよ。vanityroseさんはそれぞれ「王子」「練馬」「下板橋」を選ばれているのですが、この結果、23区内なのに練馬区板橋区、北区がかわいそうなことになっちゃってます。いつも仲間はずれの江戸川区がしっかり範囲に入っているだけに際だちます。あ、vanityroseさん、江戸川区にお住まいですね。

それらの線になじみがないから分からない、という原因かとも思いますが、そのなじみがないこと自体を含めて「23区」という抽象的な考え方との間にギャップがあるわけです。そこが面白い。いやー、vanityroseさんありがとうございました。いろいろ考えさせられます。ぼくの旅はまだまだ続きます。